Treasure AI Studio のアクセス制御は 2 つのレイヤーに分かれており、どのレイヤーが担当するかを見分けることが最短の理解方法です。エージェントがどのデータを読めるかは Studio の外側、そのデータを持つシステムが決定します。エージェントが行うすべてのリクエストに、そのシステム自身の権限がそのまま適用されます。エージェントが何をしてよいかは Studio の内側で決定します。到達できる外部ドメイン、読み込めるスキル、ユーザーが使えるクレジット量です。このページは両方のレイヤーを整理し、それぞれの制御がどこで適用され、どんな対応が必要かを管理者が一箇所で把握できるようにします。
Treasure AI Studio はすべてのデータ操作をお客様自身の認可で実行します。お客様の権限で拒否されるデータベースは、エージェントも同じ拒否を受け取ります。Studio が追加するのはエージェントの挙動に対するコントロールであり、これまで見られなかったデータを見る手段を追加するものではありません。
Treasure AI Studio の各挙動をどのアクセス制御レイヤーが統制しているかを特定し、それぞれで管理者が何を設定すべきかを把握します。
- Treasure AI アカウント
- セキュリティ概要の内容を理解していること
- Studio 側のコントロールにはアカウント管理者ロール、Treasure AI 側のコントロールには Control Panel へのアクセス
Treasure AI Studio は、データに対する独自の権限レイヤーを一切導入していません。エージェントが行うすべてのリクエストはお客様として対象システムに送られ、そのシステムの権限が成否を決定します。このレイヤーについて Studio 側に設定するものはありません。各ユーザーが既に持っているアクセス権が、そのままエージェントのアクセス権になります。
どの権限モデルが適用されるかは、データの置かれている場所によって決まります。
- Treasure Data CDP — 組織の Policy-Based Permissions と IP Allowlist。本セクションの以降で説明します。Studio の作業が最も多く触れるのはこのレイヤーです。
- それ以外のコネクタ — 各ユーザーが OAuth で認可したアカウントに対して、そのベンダー自身の権限モデルが適用されます。これらのシステムにおけるエージェントの到達範囲を絞るのは Studio ではなくそのシステム側の作業です。認可に使うアカウントに、必要な範囲だけを付与してください。
エージェントが実行するすべてのクエリ、セグメントのプッシュ、CDP API 呼び出しはお客様として Treasure AI に送られ、組織の Policy-Based Permissions が成否を決定します。既存のポリシーが自動的に適用され、Studio 側に設定するものはありません。
LLM プロバイダーへ送られるプロンプトから PII を除外するには、データ層でカラムレベルのマスキングを設定してください。マスキングはクエリが実行される場所で適用されるため、エージェントが受け取るのは既にマスクされた結果です。Studio やスキル、プロンプトが回避できる余地はありません。マスク前の値がそもそも CDP から出ないためです。カラムレベルのアクセス制御を設定して PII を LLM から除外するを参照してください。
組織が Treasure AI API へのアクセスを承認済みネットワークに限定している場合、Treasure AI Studio のエージェントワーカーを Allowlist に登録しないとクエリが拒否されます。Studio はリージョンごとに固定された送信元 IP アドレスから Treasure AI API を呼び出します。これらのアドレスは静的で、セッションやデプロイをまたいで変わることはありません。
お使いのリージョンのアドレスを Treasure AI の IP Allowlist 設定に追加してください。
34.199.15.172
100.51.233.143
54.175.7.102送信元アドレスはリージョンごとに異なり、キャパシティの追加に伴って変わることがあります。Allowlist を設定する前に、お使いのリージョンの最新のリストを担当のカスタマーサクセスマネージャーにご確認ください。アドレスが不足していても保存時に警告は出ず、クエリ実行時に拒否という形で初めて現れます。
Treasure AI Studio は IP アドレスによるインバウンドアクセスの制限を行いません。認証が完了すれば、任意のネットワークから Studio の Web アプリケーションを開けます。サインインに対するネットワークベースの制限は Studio ではなく ID プロバイダーによるものです。SSO ログインを参照してください。
| シナリオ | Studio の UI | データ操作(クエリ、API 呼び出し) |
|---|---|---|
| 許可されたネットワークに留まっている | 通常どおり動作します | 通常どおり動作します |
| サインイン後に、組織が許可していないネットワークへ移動した | 通常どおり動作します(Studio の UI は IP で制限されません) | 通常どおり動作します(エージェントワーカーはクライアント IP ではなく固定の送信元アドレスを使用します) |
| ID プロバイダーがブロックするネットワークからサインインしようとした | サインインに失敗します | 該当なし(セッションが確立されません) |
お客様自身のネットワークが影響するのはサインインのときだけです。どのネットワークからサインインを開始できるかは ID プロバイダーが判定します。サインイン後は影響しません。エージェントのクエリはお客様の PC ではなく Studio の固定の送信元アドレスから出ていき、Studio がお客様の IP を再度見ることはありません。だからセッション中にネットワークを移動してもクエリは壊れませんし、逆にオフィスを Allowlist に追加しても、Studio のアドレスが登録されていなければエージェントには効きません。
これらのコントロールは、お客様が到達できるデータの範囲を変えるものではありません。既に持っているアクセス権を使ってエージェントが何をしてよいかを制約するもので、いずれもアカウント管理者による設定が必要です。
| コントロール | 統制する対象 | デフォルト |
|---|---|---|
| ネットワークポリシー | エージェントが到達できる外部ドメイン | デフォルトブロック。Treasure AI、GitHub、パッケージレジストリ向けの許可リストが登録済み |
| プラグインマーケットプレイスのポリシー | ユーザーが自分でスキルマーケットプレイスを登録できるか | オープン(すべてのユーザーが登録可能) |
| コネクタ設定 | ユーザーがコネクションを認可できる外部サービス | Treasure Data CDP 以外のコネクタは、管理者が追加するまで存在しません |
| クレジットポリシー | ユーザーごとの 1 日あたりのクレジット上限 | 無制限 |
| カスタムインストラクション | すべての会話に適用される組織全体のガイダンス | 未設定 |
カスタムインストラクションはエージェントを誘導し、ネットワークポリシーはエージェントを止めます。守ってほしい慣習(「プッシュ前に必ず検証する」など)にはインストラクションを、プロンプトがどう指示しても維持しなければならない境界にはネットワークポリシーやコネクタ設定を使ってください。
デフォルトでは、有効な Treasure AI アカウントを持つすべてのユーザーが Treasure AI Studio とそのすべての AI 機能をフルに利用できます。Studio 内に機能単位のトグルはありません。Studio を開けるユーザーは、その中のすべての機能を使えます。アクセス制御は、より粗い 2 つのレベルで行います。
| コントロール | 現在の挙動 |
|---|---|
| ユーザーごとの Studio アクセス | デフォルトでは無効(すべてのユーザーがアクセスできます)。アカウントに対して制限(オプトイン)モードを有効化すると、管理者が特定のユーザーに Studio へのアクセスを付与します。ユーザーごとの AI Studio アクセスの制御を参照してください。制限モードの有効化は担当のカスタマーサクセスマネージャーにご依頼ください。 |
| ユーザーごとの利用上限 | 管理者は各ユーザーの 1 日あたりのクレジット消費量に上限を設定できます。クレジットポリシーを参照してください。 |
| Studio 内の機能単位の制限 | ありません。Studio にアクセスできるユーザーはすべての機能を利用できます。 |
| 管理者専用の機能 | ネットワークポリシー、ネットワーク監査ログ、データ保持、クレジットポリシー、クレジット利用状況、コネクタ設定、組織のマーケットプレイスにはアカウント管理者ロールが必要です。 |
| アカウント単位のオプトアウト | 利用可能です。アカウント全体で Studio を無効化するには担当のカスタマーサクセスマネージャーにご連絡ください。 |
| レイヤー | 制御する対象 | 適用される場所 | 必要な対応 |
|---|---|---|---|
| Policy-Based Permissions | Treasure Data CDP における、ユーザーまたはグループごとのデータベース、テーブル、API へのアクセス | Treasure AI API(サーバーサイド) | なし(既存のポリシーが自動適用されます) |
| 接続先システムの権限 | それ以外の接続済みサービスでエージェントが読み取り・変更できる範囲 | そのサービス(サーバーサイド) | Studio 側では不要。各ユーザーが認可するアカウントの範囲をベンダー側で絞ります |
| Treasure AI の IP Allowlist | Treasure AI API を呼び出せるアドレス | Treasure AI API(サーバーサイド) | Allowlist を運用している場合、Studio の送信元アドレスを追加します |
| Studio へのインバウンドアクセス | Studio アプリを開けるネットワーク | Studio では制御しません。サインイン元のネットワークは ID プロバイダーが統制します | なし |
| ネットワークポリシー | エージェントが到達できる外部ドメイン | Treasure AI Studio | 管理者がルールとデフォルトアクションを設定します |
| プラグインマーケットプレイスのポリシー | ユーザーが自分でスキルマーケットプレイスを追加できるか | Treasure AI Studio | 管理者がポリシーをオープンまたは管理者のみに設定します |
| コネクタ設定 | ユーザーが接続できる外部サービス | Treasure AI Studio | 管理者が各コネクタを設定・有効化します |
| クレジットポリシー | ユーザーが 1 日に消費できるクレジット | Treasure AI Studio | 管理者が 1 日あたりの上限を設定します |
| ユーザーごとの Studio アクセス | ユーザーが Studio を開けるか | Treasure AI(サーバーサイド) | カスタマーサクセスマネージャーに制限モードの有効化を依頼し、ユーザーごとにアクセスを付与します |
| アカウント単位のオプトアウト | アカウント全体の Studio | Treasure AI のアカウント設定 | 担当のカスタマーサクセスマネージャーにご連絡ください |
- Treasure Data CDP の権限で拒否されているデータベースに対してチャットからクエリを実行し、コンソールで見えるのと同じ拒否がエージェントから報告されることを確認する
- (管理者)ネットワークポリシーのルールセットとプラグインマーケットプレイスのポリシーが組織の意図と一致していることを確認する
- (管理者)Allowlist を運用している場合、Studio の送信元アドレスが Treasure AI の IP Allowlist に登録されていることを確認する
| 問題 | 解決策 |
|---|---|
| 組織が IP Allowlist を有効化した後にクエリが失敗する | Studio の送信元アドレスが Allowlist に登録されていない可能性が高いです。お使いのリージョンの最新のアドレスを担当のカスタマーサクセスマネージャーに確認して追加してください。 |
| 特定のネットワークからサインインできない | ID プロバイダーがネットワークベースのポリシーを適用している可能性があります。承認済みのネットワークからサインインするか、IT 管理者にポリシーの更新を依頼してください。 |
| データの権限は正しいのにエージェントの操作が失敗する | 原因はもう一方のレイヤーである可能性があります。ネットワーク監査ログで宛先ホストに対する block を確認し、ネットワークポリシーを調整してください。 |
| ユーザーが Studio を全く開けない | アカウントが制限モードで、そのユーザーにアクセスが付与されていない可能性があります。ユーザーごとの AI Studio アクセスの制御を参照してください。 |
- セキュリティ概要 — サンドボックスの分離、暗号化、データレジデンシー
- ネットワークポリシー — エージェントが到達できるドメインを設定する
- SSO ログイン — 認証のフロー、リージョン、セッション
- クレジットポリシー — ユーザーごとの 1 日あたりのクレジット上限